初日、外灯回りです！
福島市内の宿泊先に安達氏が迎えに来てくれたのが夕方6時ちょっと過ぎ。
｢夕飯はコンビニですよぉ、食べに入ってる時間無いから。まずは1時間位で山形県に入って、
それからポイントまで更に1時間くらいかな。途中トンネルが工事してるから待つけど。」
｢はい、はい、はいぃ〜っ！さぁ出発だぁっ！！」
もうなんでもワクワク。ひゃぁ〜っ、SATYだぁ。←なんで？
おおっ、郊外型大型店舗がいっぱい。そうそう、宇都宮もこんな風ですぅ。
でもって、安達氏の車は快適＆スリリング(運転が）。なぁんで左カーブをそんなにつめてコーナ
リングぅ？？クワ師は一寸先の道路状況がわかる？？
安達）スンマセンでした。いつもあんな感じです。
｢だって、人なんていないってば。」
この一言も、人が歩いてないような所まで行った事がない私には新鮮な響きだったですが、今後
もっともっと自分の虫採りの甘さを実感するセリフが安達氏からポンポン出るのでした。
現場に着いたのは午後8時ちょっと。いい具合(かどうか私には解らないけど）に暗くなってます。
「じゃ、ちょっと見てみましょう。」
安達氏シャッと路肩に車を寄せて降りちゃいます。
ええ〜〜〜っ！！見るって、見る？何を？アスファルトの上ぇ？？
そうです。私、夜間の外灯回りは初めて。今の今まで｢外灯回り」に行ったら、外灯のポールに
たかってる虫を網で採るものだと思っていましたぁ〜。←ばか者。
「明かりの真下に行くようなのは馬鹿な虫だけ。この位離れた範囲を見る......
あ、ほら。」
安達）明かりの真下だと、採集されている場合が多いしね。
えっ？こんなところに？ってとこにオオクワがいたりします。
いたんですよ、本当に、クワガタが。アカアシのメス。
これは我が家に先住してた日光産のアカアシのオスと記念撮影したものです。
「今日は月が大きいから、あんまり飛んで来ないね。」
えっ？だって、採れたのに？←ものの5分で見つかったので安達氏の発言に思考停止状態。
そうそう、今回の採集に連れて行って貰える事になった際に、「月の大きい頃はあんまり
採れないよ？いいの？」と言われていたのでした。
あまりの無知に苛立つ貴兄もいらっしゃることと思いますが、これでも山口進さんの図鑑読んだり
一生懸命予備知識を貯えてきたつもりだったんです。
でも、それらを基にした想像力なんか消し飛んでしまうくらい、安達氏の｢動体視力」と｢クワ師の勘」
がしぃんと静まり返った山と呼応しているので......なんか、無駄口きいちゃいけない雰囲気だったので
ありました。
安達）そんなことないのよ。昆虫採集は何年間やっていても採集に行かなければうまくなりません。
数さえこなせば余程の鈍感でなければ上達しまっせ〜！しかも、今日は拾って歩くだけだし。
ただの運だけです。
......こんなとこはどうかな？あっ！ああっ！！見ぃ〜つけたぁっ！
「ああ。......なかなかスジがいいですね。」
わぁ〜〜〜〜〜〜いっ！誉められたっ！｢だって、すき焼きしてると鍋肌の陰の死角になったところ
にお肉が残ってるでしょ？」←意味不明。安達氏に笑われた。安達）おもろかった。
実は、縁石の陰にノコギリのオスが『ほ？』って、いたんです。
ああ、嬉しい。自分で見つけたノコのオス。とてもスマートでしょ？あばたもえくぼ状態？
そして、ちょっと走っては止まり、をやっていくうちにぽつぽつ採れるんです。ああ、パラダイス。
超巨大40mmのゲンゴロウも捕まえちゃった。なんかハッピぃ。
本当に夢のよう。だって、いろんな所を見て回って、殆ど毎回収穫ゼロでしたから。
けれど、楽しい時間はあっという間に過ぎちゃいます。あ〜あ..山の向こうから丸ぁるい♪丸ぁるい♪
まん丸いぃ〜♪......お月様が昇ってきてしまったので、今夜は終了。福島へ戻ります。
安達）本当はオオクワ狙いだったんだけど残念でした。月が小さくてもっと暑かったら
絶対採れていたのに。
帰りの車内の会話。そろそろ住宅地に入った辺りで、安達氏が街路樹を指差して言いました。
｢今までああいうとこ探してたでしょ。」
「はい、はいぃ〜っ！おっしゃるとおり。まだ私の感覚では『あ、いそう』って感じです。」
まったくウロコどころか目玉が落ちそうでしゅ。
でもでも、ひたすら幸せ。ものすごく奇麗な映画を見たような......そう、よく考えたら私こんなに空や
風景を見渡した事ってもう何年もなかった気がする。
安達）都会の人はあんな真っ暗やみはビックリするでしょうね。
車のライトを消せば漆黒の世界だし。星もいいけど、たまにはネオンもいいよ！？
どきどきどきどき......夢じゃないよね？？宿に戻ってルアーケースを覗きながら、確認。
さぁ〜て。明日に備えて、さっさとシャワー浴びて寝るです。
