2日目、樹液採集です!
ふぁ〜〜〜っ! あ、こうしちゃいられない。目が覚めたら、ここが何処で、今日これから何をする
のか思い出しました。眠りが深かった証拠ですね、昨日は心地よい緊張と興奮で疲れてすぐに寝
ちゃいましたから。ああ、仕事を忘れて没頭するというのは心身に良い事だと実感します。
今朝は福島飯坂ICで安達氏と待ち合わせです。
今日もお世話になりますぅ〜っ!
さて、今日は福島県内のポイントに連れて行って貰います。今朝、宿で地図を見て福島県の
広さを改めて知ったばかり。方向オンチではないですが、あらあらやっぱりどっちに走ってるのか
分からなくなりました。なので、地名は不明です......うふふ。
「樹液採集だからね、今日は。昨晩の外灯回りなんて遊びみたいなもんで、
木ぃ蹴っぽって採るのがホントだから。」
安達)樹液採集が夏の採集の醍醐味でせう!でも、私は疲れるし暑いし嫌い。
はいっ!今日も朝から心にしみるお言葉。......勉強させていただきますっ!
まずは見晴らしの良い小高い丘へ。けれど安達氏のNGが出てロケーション変更。
そして次はちょっと『え。入って行っちゃうの?』とちょっと思う道幅の林へ。
安達)タマムシ狙って見たんだけどダメでした。
う〜〜ん、緑に映える安達氏の虫採り網。気温はかなり高いですが、さわやか。
安達氏が樹を見ている。
樹の何を見てるんだろう???
樹液の状態?いいえ、私の目には似たり寄ったりの2本の木。でも、安達氏は見つめている。
あ、安達氏が動いた。ササッと草を分けて入る。
うわっ!なにっ??
え?なに、この図鑑の写真のような光景。
まるで誰かが自分の虫かごから出して樹にたからせたみたいに『ん?』っと虫たちが食事中。
寄って見たら、この迫力っ!
なぜ?どーして安達氏はこっちの樹を選んだのでしょう......???ちょっと尋ねると......
「匂うんですよ。」
と、さわやかな笑顔で言われてしまった。
安達)まぁ、なんとなくがホンネです。その何となくで結構いい採集をしてきたのだ。
そうかぁ......私も決して臭覚は鈍くないですが、樹液の臭いじゃなくて「虫のいる匂い」を感じることは
まだまだ無理そうです。
喜んで撮影してケースにしまって、とやってるうちに安達氏に動きが。
こうなったら安達氏の観察から入らないと......技は盗むもの。←何を盗めばいいのかさえ分かって
ないけど。
安達)私を見ていたら『怪しいヤツ』という感想で終わるかも。
がさがさ......草をかき分ける安達氏。
「あ、ノコだ。♂♀ペアだね。」
写真を撮ろうと近づいたら、気づかれてしまいました。
で、オスがちょこっとしか写ってなくてごめんなさい。樹の左側にたかっているのがお分かり
いただけるでしょうか??
ああ、これが自然に生息しているノコギリクワガタの姿なんだ......じぃ〜〜〜ん。
樹の穴を覗いて見つけた事はあったのですが、こんなにフツーに、さりげなく、静かぁ〜
に暮らしてる姿を見るのは初めてです......感動的な光景でした。
さてさて、また移動です。
安達氏のゴーカイなドライビングに驚きつつ(まだちょっとだけでしゅ)、次なる楽園へ......えっ?
ああっ?えっ??ウソでしょ??お願い、ウソだと言ってぇ〜〜〜っ!!
こんなとこ、車で入っちゃうのぉ??だって道幅1.2mですよ??
なんて思ってたら、もうフロントガラスの外はジュラシックパーク状態。草丈150cmの雑草が、
目の前に生えているのに、安達氏ブンブン走る。車高の高い4駆だってちょっと......いいえ、4駆
の軽だってここを進むのは躊躇する道幅と雑草の海なんです。
左右から雑草が車めがけてバサッ、バサッとぶつかってくるし、なんといっても目の前が視界
ゼロですから......安達さんの車はまだ新しくてきれいなのに......
安達)あんなのまだ序の口っす。スギリンと行くともっと凄い。
キャメルトロフィーなみです。(嘘)
い......いっ、岩とかあったらどうするのぉっ??
......ガッタンゴットンブルブルブンブン......(絵本のような表現になってしまった)
安達氏、面白がっている。
そして、ようやく停車。
......げっ。
ドアを開けたらドアの弧を描いておっきくて丈夫そうな雑草がなぎ倒されてミステリーサークル
状態。まさにジャングル。そして、安達さんの名言が......
「貴重品は車に置いて行ってね。落としたら困るから。」
普段から慣用句として「貴重品は車に置かないで」と使っていた私の耳には......へっ??
つまり、人は来ないんです。怪しい人も、そうでない人も。
それよりも木を蹴ったりして知らぬ間に落としてしまう方を気遣ってくれたのでした。
安達氏は深い。ベストキッドの「ミヤジさん」のようである。←安達さんは若者です、念のため。
安達)いや〜、もう若くもない。ミヤジさんみたいだったいいけど、ただのオヤジにはなりたくない。
↓林に入った安達氏の華麗なるキックを激写。
安達)私のケリはまだまだです。スギリンのケリは破壊力抜群です。
どんっ、どん。←2発目は足で樹の揺れを吸収します。
しぃ......ん。←どきどきどきどきっ!
ぼたぼたっ......
きゃぁ〜〜〜〜〜〜っ!落ちてきたぁっ!!!←心の中で叫んだんですよ。
初体験にひたすらびっくり。
どぉしてこの樹って判ったの???????????だって、周りには似たような太さの同じ
種類の樹がいっぱい立ってるんですから。
そして、そして落ちてきたのはなんと66mmのミヤマっ!!!
私が今回の採集で一番欲しかったのはミヤマだったんです。
この写真は採集からずいぶん時間が経過しているので(すみません、現場では感激のあまり1眼
レフのマクロで撮ってしまい、私はフィルムスキャナを持ってないので画質が落ちるよりは鮮度が落ちる方がましか
と思いまして最近家で撮ったものです)ダニもついてるし毛も薄くなってしまいましたが、堂々とした
風格でしょう?......もうすぐ寿命だなんて考えたくないです。
ああ、この手でミヤマが採れるなんて......←冷静さを失ってる。採ったんじゃなくて
落としてもらって拾っただけ。
いずれにしても、ただただ安達氏に感謝です。
他にも、いろいろ採れました。この日の収穫は30匹余りっ!
私の記録(?)とは一桁違います。
すでに寿命を迎えた、もしくは戦いに敗れた虫たち。
一丁前に標本作りにも挑戦しています。
と言う訳で私の初めての本格的なクワガタ採集の思い出「Yukyの採集記」
はこれでおしまいです。読んでくださってありがとうございました。
また、台湾行きを目前に控えた日程であったにも関わらず、私のような
初心者の採集に付き合って(さぞやイライラなさったことでしょう)下さった
安達氏に、この場をお借りして心より感謝を申し上げます。
安達)いろいろ採れてエガッタね。良い思い出になったみたいで私もホッとしています。
冬は材採にも挑戦するそうで、是非頑張って下さい。
注意:私に採集に連れてってメールを送っても余程の事がない限り無理です。
スギリンだったら独身女性なら?案内してくれるかもヨ。
写真とプロフィールをメールでスギリンに送ろう!(半分ホント)