嗚呼、小浜沖ハマチまみれ・・・

2002年4月20日

今年の日本海は春から熱い! 津居山や網野のジギング船は連日大型ブリ爆釣状態。 うわさを聞いた我々が連絡を入れても予約で一杯なのは当たり前。 悔しいけど現実は厳しい。 わずかな望みをかけて若狭湾のハピネス-Uに予約を入れ、前田ピン蔵氏と乗り込んだ。
「経ヶ岬にブリが回遊する可能性もあるし、鯛なら実績も高いっすよ!」
常にポジティブな前田ピン蔵氏。 私も見習いたいよね・・・

宮津 養老港のハピネス-U 充実装備で快適です。

この日、ハピネス-Uはまず冠島に進路を向ける。
「冠島といえば当然アコウでしょ!」 高級魚に期待してジグをしゃくるが反応は無い。 無線で各ポイントの状況をチェックした船長は冠島から一気に小浜方面へ走った。 
小浜の海は鳥山もあって雰囲気は悪くない。 魚探で群れを捕捉し、駆動を切る。
「水深40m。 ちょっと投げてみて下さい!」 船首に立つ私は潮上に向かってジグをフルキャスト。 着底を確認してから高速ジャークで攻める。 私にしては珍しくスピニングメインの戦法=通称「丹後引き」である。
「はいヒット!」 すぐに1匹目が釣れたがサイズは40cm程の小ハマチ。 どうやら小浜沖はこのサイズの群れで一杯らしく、次々と同サイズの小ハマチがヒットする。

竿は曲がってませんがヒット中の前田ピン蔵氏   こんな可愛いのもヒットします。 当然リリースですよ!

ベイトを追って群れは浮いているようでヒットゾーンはかなり表層だ。 10mのロングリーダーを巻き込むような近距離でもヒットする。 前田ピン蔵氏は船縁でのチョンチョン釣りでヒットさせて見せる。
ふ:「ん?それで釣れるの?」
ピ:「はい、面白いですよ♪」 この男、なかなかの技巧派である。

ほぼワンキャスト・ワンヒットの連続だがシャクリが合わないとまったくヒットしない。 高速なジグ操作の中にちょっとした「止め」や「誘い」が求められ、釣果の差はきわめて明確に表れる。 なかなか面白い状況だが釣っても釣っても小ハマチだらけ。 「なんかイヤな爆釣モードですよね・・・」 お隣さんも不満そうである。
いいかげんウンザリしたのでデッキハンドの兄ちゃんに聞いてみた。
ふ:「こんな状態でも頑張っていればブリやヒラマサが釣れるんですか?」
デ:「ハイ釣れますよ! 頑張ってください!」 そう言われて頑張ってみたが全然サイズUPしないよ・・・(T_T)

午後からの強風がさらに強くなり、群れが沈み反応が悪くなるとハピネス-Uは冠島周辺のヒラマサポイントへ向かった。 ここでも強烈なウネリが船体を襲う。 ハンドレールに脚を絡ませて身体を固定するが3mほど上下に揺さぶられるのでジギングは極めて困難だ。 PEラインが風に舞いボトムを取ることすら出来ない。
「ゴゴン!」 微かな生命反応に反射的にフッキングをかまし、ガンガン巻き上げる。 走りは無いがちょっとデカそうな感じ。 「こりゃ期待の底モノやで!」 ニヤつきながらリーリングすると潮に乗って大きなガシラが浮かび上がる。
「やった〜! 刺身サイズや!!」 丁寧にネットでランディングしてもらう。 へへへ、お土産お土産♪

ハマチばっかりじゃお土産にならないので頑張りました!   二人でキープした獲物。 サイズの割に美味しかったですよ♪

結局、冠島周辺では青物のヒットも無く、強風に負けて帰港となった。
私と前田ピン蔵氏は小浜沖で爆釣して二人で50匹近い釣果だったが、期待のブリ・メジロ級は姿を見せず、結果だけ見れば残念な一日とも言える。 しかし、両軸タックルでのジギングが得意な私にとって、苦手なスピニングタックルで納得できる結果が導き出せた事は大変有意義なのだ。 釣行の度にタックルセッティングを煮詰めなおし、何度も苦渋を味わいながらも努力してきた結果がようやく表れた訳である。

私にとってはまだまだ「鬼門」の日本海。 スピニングタックルによる「丹後引き」をマスターしない限り見るべきモノも見えはしない。 今回はその「鬼門攻略」の第一歩と言えるかも知れない。