この日は6時頃に目が覚め、ゴロゴロしていた。まっ、余裕で出航を待っていたのだ
が、あれは7時頃だった。『本日はエビネ丸、黒潮丸ともに出航できません!』
OH!MY!GOD!
天気も良かったし、風も強くないのに潮の流れで欠航になったのである。私は急いで
ロッヂの前の坂道を駆け上り、しげを工房前の公衆電話より役場に電話を入れる。や
っぱり、欠航であった。その足で役場に向かい、ヘリの空き状況も調べる。空いてい
ない、、、。偶然、小林さんが来ていて、漁船が来るかも知れないとのこと無線を入
れてみると今ちょうど接岸中!小林さんの車で取りあえず港まで爆走である。港に着
き、漁船のおっちゃんに今来るからと言って、またロッヂまで爆走!急な坂道もエン
ジンがうなり声をあげながら登っていく。(この字です)
荷物を持って小林さんの車で舞い戻った。そこには良く見るとロープで接岸もされて
いなく上下に2メートルは動いてる小形漁船があった。一つづづ荷物を船に乗せ、私
もタイミングを見て飛び乗る。うぉ〜。立ってられないので殆ど四つん這い状態で荷
物を荷物入れにしまい、フタを閉める。
その状態で出航したので写真も撮れず、小林さんにその格好で手を降りお別れとなっ
てしまったのである。
これが唯一撮影できた漁船から見た御蔵島である。
良く見るともう一人乗っていて、運転席の後ろのデッキに腰掛けていた。私も手すり
を手がかりにそこまで行って腰かける。ふぅ、、、。座っていたのは初老のおじさん
だった。なれた様子で手には釣りざおと手荷物だけである。(ただ者ではない!)
しばしデッキで風に当たりながら過ごしてみた。船は腹を波に打ちつけ、容赦なく揺
れる。揺れる。揺れる。それでも最初はトビウオの飛翔などを見て喜んでいた。しか
し、揺れもひどく海水がバーン!と私にかかってしまったのである。半分以上ずぶ濡
れである。仕方なく船室に潜り込む。また、揺れる。しばらくは余裕だったのが、来
るべきものが来てしまった。近くにビニール袋があったので助かった。また、デッキ
に出て風に当たる。すぐ回復し、船室に入ったのが失敗だったのである。
こんな事をしていたら1時間ちょっとで三宅島の港が見えてた。港に入ると流石に揺
れない。荷物を下ろして下船である。いい経験だった。
そして、おっちゃんの車に乗り近くの観光案内所まで連れていってもらったのであっ
た。しかも、地元の人しか知らない裏道を通って。
ちょっと変だがこれが漁船のおやじ。三宅島で民宿マコと釣り舟を経営しているそう
だ。運良く?漁船に乗れたらこのおっちゃんに会えるだろう。
それにしてもラッキーと言えばラッキーだったし、我ながら判断力&行動力には感心
した。もしこの船で帰ってきていなかったら、しばらく閉じこめれれていたのであっ
たのだ。